山口西京道院の看板を修繕

山口西京道院の顔でもある入口の看板は、山口西京道院設立以来5枚目となります。

最初の看板は、「日本傳正統北派少林寺」と書いてあったそうです。

現在の看板は、長田道院長のご近所付き合いもあった、防府市出身の南宗画の画家で書家でもある

山田如仙先生にお願いして書いていただいたものだそうです。欅に書いていただきましたが、

何も加工していなかったので傷みが激しく、字が読めなくなってきました。

そこで50周年記念を前に修繕しようという案が出ました。

ただ業者に出すと5万円ぐらいするので、私、木村が直すことにしました。

ネジも錆びているので、丁寧に外します。

看板が無くなり、柱だけになりました。めったに見ることのない光景です。

早速家に持って帰り、12月の寒空の中スタートです。

まず業者が木の汚れを落とすのに使う専用の液体を目立たないところで試し、

問題ないことを確認してから全体に付け、そして雑巾で拭き取っていきます。

肝心な墨字が消えないか、慎重に進めていきます。

どうです!かなりきれいになったでしょ! これを2回繰り返したのが、左の看板です。

十分乾かし、年が明けてから今度は墨字以外をサンドペーパーで磨き、木の本来の美しさを出していきます。

サンドを掛けた後が、右の写真です。細かいところを磨くのに骨が折れました。

これでも十分な感じですが、液体で汚れを取った分、墨も薄いところができてしまっています。

今度はこれに墨を入れ、字を濃くしていきます。これは気を遣いました。

最初の字体と変わらないように、加工する前に撮った写真で細部を確認しながら墨を入れていきます。

特に墨字の良さの跳ねなどのかすれた部分を再現するのに、工夫を凝らしました。

墨入れした後が、右の写真です。元通り、きれいに仕上がりました。

そしてしっかり乾かしてから、木材保護のオイルステインを塗ります。

何度も乾かし、3回ほど塗りました。

十分染み込ませてから乾燥させますが、冬場なので時間がかかりこれだけで1か月を要しました。

それが、左の写真です。

最後に、3度ラッカーをスプレーして完成です!完成写真が右側です。

3月1日に道院へ運び、設置です。抑えの金具もペンキを塗り、釘もステンレスに変え錆ももう安心です。

並べてみると違いが分かりますね。

素人ながらまずまずの出来です。もうこれで数十年大丈夫でしょう。

休みの合間をみての作業だったので、取り外しから設置まで3か月かかりました。

細かい地道な作業でしたが、山口西京道院の歴史の重さを感じながら仕事はやりがいのあるものでした。

だんだん50周年への準備が整ってきました。

さあみなさん、気合入れていきましょう!

                                         (文責 木村)

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