高校の卒業文集に「雲」という詩を書きました。『鳥ならば…(略)、風ならば…(略)
私は、この世に満ちた罪悪の塵を集め、愛と平和の雨に化し、降らしていきたい、命がなくなるまで』 山口武専在籍時、リーダー論の時間に、目標の自問を求められ、このことを思い出しました。無限の可能性を信じられた頃と、己の力の限界を思い知らされ、あきらめようとしていた自分がいました。ひとりひとり自己確立の上、築かれる愛と平和の世の中を理想とする金剛禅の教えは、まさに自分の夢だったことを思い出しました。ひとりは不可能でも、同じ理想を持つ仲間を増やし、次世代へつなげていけば、いつか実現できることを信じて、道院長をめざしました。
ひとりひとりの個性に合わせて指導するポイントを柔軟に変えています。
また、技法の修練を通して、教えを伝えるよう心がけています。最後まであきらめないこと、自分自身や人との向き合い方、攻撃の受け止め方と返し方に調和が応用できることなど。伝えたいことはたくさんあっても、なるべく一度に1つだけ目標を与え、それができたらほめます。
技法の上達だけでなく、真摯な姿勢、努力、言動も評価します。認められることで自己肯定感を身につけ、その自信で、自分だけでなく、他の人にも目を向け、周囲の幸せのために、主体的に行動できるよう導きます。
ここにくると、ほっと安心できて、みんなで笑顔になれて、明日もがんばる気持ちを与えられる道院。つらいとき、迷ったとき、心の支えになる道院。
道院で培った自他共楽の精神を、自ら周囲に発信し、幸せな世の中の実現に挺身できる拳士をひとりでも多く育てていきたいです。
道院長を含め、一般女性拳士が5人います。少年部は元気いっぱいで、力強い気合に、道院長まで励まされます。はじめ人見知りしていた子も、いつの間にかみんなにとけこみ、活発になっています。拳士も、ご家族のみなさんも、みんな笑顔が素敵で、『華がある』道院と評されています。
稽古は和気藹々、でも真剣。修行を通して、自分自身を見つめ直し、自分の可能性を信じ、お互いに認め合い、高め合う仲間と出会い、豊かな人間関係が築かれています。拳士同士だけでなく、ご家族のみなさんとの交流も大切にしています。
つらいときの支えになり、生き甲斐をもたらし、生きる道標となれる道院をめざして、拳士一同日々精進しています。
社会人になってから少林寺拳法を始めました。道場へコンスタントに行くことができませんが、それでもいつも笑顔で出迎え、熱心に指導して下さる先生と仲間達がいます。私はそんな家族のような上宇部道院が大好きです。嬉しい時、一緒に喜び合えたり、落ち込んだとき支えてもらえたり…。行事を通して県内各地の人達とも年代を問わず、みんな同じ気持ちになって取り組めることも魅力の1つです。みんな、生涯お互いに高め合い、助け合える素晴らしい仲間達です。技だけでなく人との繋がりやパワーを与えてくれる少林寺拳法に出会えたことに感謝しています。これからも素晴らしい先生や仲間達と共に修練に励み、更なる輪を広げていこうと思います。